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【作業療法士の後輩指導】もう悩まない!新人が伸びる効果的な教え方3つのコツ

「新人さんが入ってきた!よし、先輩としてしっかり育ててあげないと!」
「私が教えるからには、一日も早く一人前のOTになってほしいな」

後輩指導を任されたあなたは今、そんな熱い想いと、大きな責任感を胸に抱いていることでしょう。
その気持ち、本当に素晴らしいですね。

でも、その一方で、
「一生懸命教えているつもりなのに、なんだかうまく伝わっていない気がする…」
「『見て覚えろ』なんて時代じゃないし、具体的にどう教えればいいんだろう?」
「忙しくて、じっくり教えてあげる時間もないし、正直しんどい…」
「私の教え方、これで本当に合っているのかな…?」

そんな風に、後輩指導の難しさに直面し、自信をなくしたり、大きなストレスを感じたりしていませんか?

良かれと思ってかけた言葉が、後輩を萎縮させてしまったり、
なかなか成長が見えずに、ついイライラしてしまったり…。
そして、「指導力のない先輩だと思われているんじゃないか…」と、一人で悩みを抱え込んでしまう。

その気持ち、痛いほどよく分かります。
後輩指導は、多くの先輩OTが悩み、試行錯誤する、非常に奥が深く、そして難しいテーマなのです。

でも、大丈夫。あなたの指導への悩みは、必ず解決できます。
「教える」ことにも、実は効果的な「スキル」や「コツ」があるのです。
それを知り、実践することで、あなたの指導は劇的に変わり、後輩は安心して、そして驚くほど成長していくはずです。

この記事では、そんな後輩指導に悩むあなたのために、

  • 指導の前に不可欠な「安心して学べる土台作り」
  • 新人がみるみる伸びる、効果的な教え方の「3つのコツ」
  • そして、指導するあなた自身の負担を軽くするためのヒント

について、OTの現場で今日からすぐに使える形で、徹底的に解説していきます。

この記事を読み終えたとき、あなたは後輩指導への不安が自信へと変わり、「こうすれば、後輩も私も、一緒に成長できるんだ!」という、新しい喜びと希望を見つけているはずです。


目次

なぜ、あなたの「教えたい」は届かない?指導が空回りする3つの理由

「こんなに熱心に教えているのに、どうして伝わらないんだろう…」その背景には、指導する側が陥りやすい、いくつかの「空回りの原因」が潜んでいるかもしれません。まずは、その原因を知ることから始めましょう。

「見て覚えろ」世代の”常識”と、今の”当たり前”のギャップ

あなたが新人だった頃は、「先輩の技術は見て盗むもの」「とにかく実践で覚えろ」という文化だったかもしれません。しかし、今の新人世代は、より丁寧で、論理的で、そして「なぜそうするのか」という理由まで含めた指導を求めています。
あなたの「当たり前」が、後輩にとっては「不親切」「分かりにくい」と感じられている。この世代間のギャップが、指導の空回りを生む大きな原因の一つです。

「安心」という土台がないまま、スキルだけを教えようとしている

新人さんは、常に「失敗したらどうしよう」「こんなこと聞いたら怒られるかな」という強い不安を抱えています。
この不安な状態(心理的安全性が低い状態)で、どんなに素晴らしい知識や技術を教えようとしても、彼らの心には届きません。脳が緊張状態で、学ぶ準備ができていないのです。
「安心して学べる」という土台作りを疎かにしてしまうと、指導の効果は半減してしまいます。

良かれと思って「答え」を与えすぎている

後輩が困っていると、つい「それはね、こうすればいいんだよ」と、すぐに正解を教えたくなりませんか?
その親切心は素晴らしいのですが、実は、答えを与えすぎることが、かえって後輩の「考える力」を奪い、成長を妨げてしまうことがあります。
魚を与えるだけでなく、「魚の釣り方」を教える視点が、指導には不可欠なのです。


教える前に、まず「育てる土壌」を耕そう!3つの絶対条件

効果的な指導を行うためには、まず新人さんが安心して根を張り、芽を出すことができる「土壌」を耕すことが何よりも重要です。具体的な教え方のテクニックに入る前に、この3つの土台作りを徹底しましょう。

心理的安全性の確保 — 「失敗は、最高の学び!」を伝える

「ここでなら、失敗しても大丈夫」と新人さんに感じてもらうことが、すべての基本です。

  • 具体的な関わり方:
    • 「分からないことは、罪じゃないよ。聞かないことの方が問題だから、何でも聞いてね」と、繰り返し伝える。
    • 質問されたら、どんな初歩的な内容でも、笑顔で「よく聞いてくれたね!」と受け止める。
    • ミスをしても、感情的に叱るのではなく、「良い失敗だったね!ここから何を学べるか、一緒に考えよう」と、成長の機会に変える。
    • あなた自身の新人時代の失敗談などを話して、親近感を持たせるのも効果的。

明確なゴールの共有 — 「どこへ向かうか」を一緒に見る

新人さんにとって、自分が何を期待されているのか、どこを目指せば良いのかが分からない状態は、暗闇の中を手探りで進むようなものです。

  • 具体的な関わり方:
    • 「まずは1ヶ月で、〇〇ができるようになることを目指そう」と、具体的で達成可能な短期目標を一緒に設定する。
    • 「この業務の目的は△△で、□□ができるようになればOKだよ」と、仕事の目的と合格ラインを明確に伝える。
  • 効果: ゴールが見えることで、新人さんは安心して、そして主体的に努力しやすくなります。

「いつでも聞ける」という安心感 — “見守っている”姿勢を示す

「いつでも聞いてね」と言うだけでなく、実際に「聞いてもいいんだ」と思える雰囲気と関係性を作ることが大切です。

  • 具体的な関わり方:
    • 忙しくても、後輩から話しかけられたら、一旦手を止めて、相手の方に体を向けて話を聞く。
    • すぐに対応できない場合でも、「ごめん、今ちょっと立て込んでるから、10分後にいいかな?」と、必ず後で対応する約束をする。
    • あなたの方から、「最近どう?何か困ってることない?」と、定期的に声をかける。

この「育てる土壌」があって初めて、次のステップである「教える技術」が、豊かに実を結ぶのです。


新人が「自分で考え、動ける」ようになる!効果的な教え方【3つのコツ】

安心して学べる土壌が整ったら、いよいよ具体的な「教え方」のコツです。ここでは、単に知識を詰め込むのではなく、新人さんが自ら成長していく力を育むための、特に効果的な3つのテクニックをご紹介します。

「やってみせる」→「やらせてみる」→「任せてみる」の三段階育成法

新しい業務を教える際は、段階を踏んで、少しずつ自立を促していくことが重要です。これは、武道などで言われる「守破離」の考え方にも通じます。

  • 第1段階:Shu(守)—「やってみせる」
    • まずは、あなたがお手本として、実際の業務をやってみせます。「まずは、私がやる流れを見ていてね。ポイントは〇〇と△△だよ」と、思考プロセスや注意点を言語化しながら、具体的に示します。
  • 第2段階:Ha(破)—「やらせてみる」
    • 次に、あなたのサポートのもとで、新人さんに実際にやらせてみます。「じゃあ、次は〇〇の部分をやってみようか。困ったらすぐに声をかけてね」と、少しずつ裁量を与え、試行錯誤させます。
  • 第3段階:Ri(離)—「任せてみる」
    • ある程度できるようになったら、あなたは見守る役に徹し、その業務を一人で任せてみます。もちろん、報告・連絡・相談は必須とし、何かあればすぐにフォローできる体制は整えておきます。
  • 効果: この三段階を踏むことで、新人さんは安全な環境で確実にスキルを習得し、自信を持って独り立ちしていくことができます。

「答え」ではなく「問い」を投げかける、コーチング的関わり

新人さんが「これ、どうすればいいですか?」と質問してきた時、すぐに「それはね…」と答えを教えていませんか?時には、ぐっとこらえて「問いかける」ことで、後輩の「考える力」を劇的に育てることができます。

  • 魔法の質問例:
    • 「〇〇さんは、どうすれば良いと思う?」(まず、相手の考えを引き出す)
    • 「なぜ、そう考えたの?」(思考のプロセスを確認する)
    • 「他に、どんな方法が考えられるかな?」(視野を広げさせる)
    • 「その方法で進めるために、まず何から始めればいいかな?」(具体的な行動を促す)
  • 効果: このコーチング的な関わりは、新人さんが受け身の姿勢から脱却し、自ら問題解決できる「主体的なOT」へと成長していくための、最高のトレーニングとなります。

「褒める」と「改善提案」をセットにした、ポジティブ・フィードバック

新人さんの行動に対するフィードバックは、成長に不可欠です。ポイントは、相手の自信を育み、前向きな行動変容を促す「伝え方」です。

  • 実践テクニック:
    • 良かった点は、具体的に褒める!: ×「良かったよ」→ 〇「さっきの患者さんへの声かけ、すごくタイミングが良くて、表情が和らいだのが見えたよ!素晴らしいね!」
    • 改善点は、「事実+提案」で伝える!: ×「なんでこんなこともできないの!」→ 〇「(事実)この記録の考察部分だけど、(提案)もう少し〇〇という視点を加えると、もっと説得力が増すと思うんだけど、どうかな?」
    • サンドイッチ話法: 「褒める」→「改善点を提案する」→「期待を込めて、もう一度褒める」という順番で伝えることで、相手は指摘を素直に受け入れやすくなります。
  • 効果: 人格否定ではなく、具体的な「行動」に対するフィードバックは、新人さんの自己肯定感を損なうことなく、次への成長意欲を引き出します。

まとめ:教えることは、最高の学び。後輩と共に、あなたも成長しよう

後輩指導は、確かに大きな責任と労力が伴う、大変な仕事かもしれません。
しかし、それは同時に、あなた自身の作業療法士としての知識や技術を見つめ直し、深めるための、最高の「学びの機会」でもあるのです。

後輩に分かりやすく伝えようとすることで、あなた自身の理解が整理され、
後輩からの素朴な疑問に、ハッとさせられ、
そして何より、あなたが育てた後輩が、少しずつ成長し、患者さんから信頼され、活き活きと働く姿を見ること。
それは、リーダーや先輩という立場でしか味わえない、何物にも代えがたい喜びと、大きなやりがいを与えてくれるはずです。

もし、あなたが「もっと指導スキルを高めたい」「人材育成に力を入れている職場で働きたい」と感じているなら、それはあなたのキャリアにとって、非常にポジティブなサインです。
教育体制が充実している職場や、リーダーとしてのキャリアパスが明確な職場は、あなたのその想いを実現するための、最高の環境となるでしょう。

そんな、あなたの「育てたい」という意欲を高く評価し、活躍の場を提供してくれる職場探しについて、リハビリ職専門のキャリアアドバイザーに相談してみるのも一つの方法です。
彼らは、各職場の教育体制や、キャリアアップのリアルな情報を豊富に持っています。無料で相談できるので、あなたの可能性を広げるために、一度話を聞いてみてはいかがでしょうか。

「教えることは、学ぶこと」。
後輩指導という素晴らしい経験を通して、後輩と共に、あなた自身も作業療法士として、そして一人の人間として、さらに大きく成長していきましょう。
あなたのリーダーシップが、未来の素晴らしいOTを育む力となることを、信じています。

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