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【職場の理不尽、どう返す?】OTが自分を守るためのスマートな断り方講座

「〇〇さん、悪いんだけど、これ、今日中にやっといてくれる?」
(えっ、今から!?自分の記録もまだ山積みなんですけど…)

「△△の件、OTさんの方が得意でしょ?代わりにやっておいてよ」
(それは、本来あなたの役割では…?)

「時間外だけど、ちょっとだけだから。ね、いいでしょ?」
(その「ちょっとだけ」が、いつも長くなるんだよな…)

作業療法士として、チームの一員として、協調性を大切にしながら働いているあなた。
その一方で、上司や同僚からの、そんな「理不尽な要求」や「無茶振り」に、心をすり減らしていませんか?

本当は、「できません」「無理です」と、きっぱり断りたい。
でも、

「断ったら、職場の空気が悪くなるんじゃないか…」
「『協調性がない』『やる気がない』って思われたらどうしよう…」
「私が我慢すれば、丸く収まるのかな…」

そんな罪悪感や、関係悪化への恐怖から、結局「はい…」と引き受けてしまい、後で一人で後悔とストレスを抱え込む
そんな「断れないループ」に、陥ってしまってはいませんか?

もう、その「いい人」でいるために、自分を犠牲にするのはやめにしましょう。

この記事は、そんな「断れない」あなたのために、
職場の人間関係を壊さず、しかし自分の心と時間をしっかりと守るための、「スマートな断り方」を伝授する、実践講座です。

「断る」ことは、決してワガママでも、冷たいことでもありません。
それは、あなたがプロフェッショナルとして仕事の質を保ち、そして何より、あなた自身が健やかに働き続けるために不可欠な、重要なコミュニケーションスキルなのです。

この記事を読み終えたとき、あなたは「こうやって伝えればいいんだ!」という具体的な方法と、理不尽な要求に「NO」と言う勇気を手にしているはずです。


目次

なぜ、あなたは「断れない」のか?OTを縛る”いい人”の呪縛

「断ればいいだけなのに、どうしてこんなに難しいんだろう…」その背景には、作業療法士という職業柄や、あなたの真面目な性格が関係しているかもしれません。まずは、「断れない」原因となっている、あなたの心の中にある「呪縛」の正体を探ってみましょう。

チームワークを重んじる「協調性」という名のプレッシャー

作業療法士の仕事は、チーム医療が基本です。「和を乱してはいけない」「チームのために、自分が少し我慢するのは当たり前」という意識が、人一倍強いのではないでしょうか。その素晴らしい協調性が、時として「断る=チームの和を乱す悪」という思い込みに繋がり、あなたを縛り付けているのかもしれません。

「役に立ちたい」という専門職としての「責任感」

「頼られているんだから、応えなければ」「困っている人を助けるのが、私たちの仕事だ」その強い責任感は、OTとしての誇りです。しかし、その責任感が、自分の職務範囲やキャパシティを超えた要求まで、すべて背負い込もうとする原因になっていませんか?「断る=責任放棄」という考えは、あなたを過重労働へと追い込みます。

関係悪化への恐怖と「嫌われたくない」気持ち

「断ったら、あの人の機嫌を損ねてしまうかも…」
「職場で孤立したくない…」
そうした、人間関係が悪化することへの恐怖や、周囲から「嫌われたくない」という気持ちも、「NO」と言えない大きな理由です。特に、相手が上司や先輩である場合は、なおさらですよね。

しかし、思い出してください。あなたの我慢の上に成り立つ関係は、本当に「良い関係」と言えるでしょうか?
理不尽な要求をしてくる相手の機嫌を守るために、あなたの心が壊れてしまっては、本末転倒なのです。


断る前の「冷静判断」— その要求、本当に引き受けるべき?

依頼や要求をされた時、反射的に「はい」と言ってしまう前に、一呼吸おいて、冷静に状況を判断する癖をつけましょう。「断る」か「引き受ける」かを決めるのは、そのあとです。

要求内容の「具体化」

「なんか、いい感じによろしく!」といった曖見な依頼には、要注意。
「具体的には、何を、いつまでに、どのような状態にすればよろしいでしょうか?」
と、必ず質問し、要求内容を明確にしましょう。内容が具体的になるだけで、「それは私の専門外です」「その期限では物理的に不可能です」と、断るための客観的な理由が見つかることもあります。

自分の「キャパシティ」の確認

次に、あなた自身の状況を客観的に把握します。
「今、私が抱えているタスクは何か?」「この依頼に対応できる、時間的・精神的な余裕は本当にあるか?」
「断ったら悪いから…」という感情はいったん脇に置き、物理的に可能かどうかを冷静に判断しましょう。

「代替案」の検討

要求を100%引き受けるのが無理でも、何か別の形で協力できる可能性はないか、考えてみましょう。
「全部は難しいですが、〇〇の部分だけならお手伝いできます」
「今日中は無理ですが、明日までなら対応可能です」
「私よりも、△△さんの方が適任かと思います」
ただ断るだけでなく、代替案を提示することで、あなたの協力的な姿勢を示すことができます。


もう「NO」を恐れない!自分も相手も傷つけない【アサーティブな断り方】

状況を判断し、「断る」と決めたら、次はその伝え方です。相手を攻撃せず(アグレッシブ)、自分を犠牲にせず(パッシブ)、自分の意見を誠実に、率直に、そして相手のことも尊重しながら伝える「アサーティブ」なコミュニケーションが鍵となります。

基本構成:「感謝/共感」+「NO」+「理由」+「代替案」

この4つの要素を組み合わせることで、角が立たず、かつ誠実な「断り方」が完成します。

まずは「感謝」と「共感」で、相手の心を開く

いきなり「無理です」と切り出すのではなく、まずはクッション言葉となる「感謝」や「共感」から始めましょう。

  • 「お声がけいただき、ありがとうございます。」
  • 「頼りにしていただいて、嬉しいのですが…」
  • 「お困りの状況、お察しします。」

この一言があるだけで、相手の聞く姿勢が大きく変わります。

「NO」と、その「理由」を、簡潔かつ明確に伝える

次に、できないという意思表示(NO)と、その理由を伝えます。

  • ポイントは、「言い訳」ではなく「客観的な事実」を伝えること。
  • NG例: 「いやー、ちょっと忙しくて、色々立て込んでて、多分無理かなと…」
  • OK例: 「申し訳ありません。現在、〇〇の書類作成の締め切りを抱えており、お引き受けするのが難しい状況です。」

理由は、正直に、しかし簡潔に。長々しい言い訳は、かえって不誠実な印象を与えます。

「代替案」や「協力姿勢」を示し、関係性を未来へ繋ぐ

ただ断って終わり、ではなく、可能であれば「代替案」や、別の形での「協力姿勢」を示すことで、相手との関係性を壊さず、むしろ信頼を高めることができます。

  • 「〇〇までならお手伝いできますが、いかがでしょうか?」
  • 「来週であればお時間が取れますので、改めてご相談させてください。」
  • 「今回はお力になれませんが、また何かありましたら、ぜひお声がけください。」

この一言が、あなたの「誠実さ」を伝え、次へと繋がる良好な関係を保つのです。


【状況別】今日から使える!スマートな断り方フレーズ集

Case1: 上司からの無茶な業務依頼

「〇〇さん(上司)、お声がけいただきありがとうございます。ただ、大変申し訳ありません。現在、△△という優先度の高い業務を抱えておりまして、今そのお仕事をお引き受けすると、どちらも中途半半端になってしまう可能性がございます。もし、△△の業務と優先順位をご調整いただけるようでしたら、ぜひ取り組ませていただきたいのですが、いかがでしょうか?
POINT: 自分の状況を説明し、上司に判断を委ねる形でボールを返す)

Case2: 同僚からの安易な仕事の押し付け

「〇〇さん、お疲れ様!頼ってくれてありがとう。ごめんね、ちょうど今から、□□のカンファレンスの準備に取り掛かろうと思っていたところで、ちょっと時間が取れそうにないんだ。お力になれなくて、本当に申し訳ない!」
POINT: 相手への感謝と謝罪を伝えつつ、「自分のやるべきことがある」という事実を明確に伝える)

Case3: 患者さん・ご家族からの専門外の要求

「〇〇さん、そういったご心配もあるのですね。お気持ちお察しします。ただ、大変申し訳ないのですが、その件につきましては、私の専門外となりますので、無責任なお答えをすることができないのです。その代わり、その分野の専門家である△△(医師や看護師など)に、私からお繋ぎして、相談できるよう手配いたしましょうか?」
POINT: できない理由(専門外)を明確にしつつ、代替となる具体的なアクションを提案する)


まとめ:断るスキルは、あなたを守る「心の鎧」

作業療法士という、優しさと責任感が求められる仕事だからこそ、私たちはつい、自分の限界を超えてまで、周りの要求に応えようとしてしまいます。

しかし、「断る」ことは、決して冷たいことでも、無責任なことでもありません。
それは、あなたが提供するリハビリテーションの質を守り、あなた自身の心身の健康を守り、そして長期的に見て、職場全体の健全な関係性を築くために、不可欠なプロフェッショナルスキルなのです。

「断る」ことは、相手との関係を「断つ」ことではありません。
むしろ、誠実なコミュニケーションを通して、お互いにとってより良い着地点を見つけるための、建設的な対話の始まりです。

もし、あなたが「今の職場では、理不尽な要求が多すぎて、断ることで精一杯…」「断る勇気すら持てないほど、追い詰められている…」と感じているのなら、それはあなた自身の問題ではなく、職場環境そのものに大きな課題があるのかもしれません。
そんな時は、あなたがもっと尊重され、安心して働ける環境を求めて、新しい場所を探すという選択も、あなた自身を守るための、非常に重要な決断です。

リハビリ職場の内部事情や、労働環境に詳しいキャリアアドバイザーに相談すれば、あなたの悩みに寄り添いながら、より健全で、あなたが能力を発揮できる職場を見つける手助けをしてくれるでしょう(無料相談が可能です)。

さあ、今日から「いい人」を少しだけお休みして、あなた自身を大切にするための「断るスキル」を、身につけていきませんか?
その小さな勇気が、あなたのOTライフを、もっと健やかで、もっと充実したものに変えてくれるはずです。

▶︎【無料】自分の意見が尊重される、働きやすい職場について相談する

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