「うちのチーム、なんだか最近まとまりがないんだよな…」 「メンバーのモチベーションが低い気がする…どうすればもっと主体的に動いてくれるんだろう?」 「会議をしても、あまり意見が出なくて、結局私ばかり話しているような…」
作業療法士として、チームリーダーや教育担当など、後輩や他のスタッフをまとめる立場になったあなた。 「みんなで協力して、もっと良いリハビリを提供したい!」 「活気があって、お互いを高め合えるような、最高のチームを作りたい!」 そんな熱い想いを胸に、日々奮闘していることでしょう。
しかし、現実はなかなか理想通りにはいかず…
- 指示待ちで、なかなか自分から動いてくれないメンバー
- コミュニケーションが不足していて、情報共有がうまくいかない
- 個々の能力は高いはずなのに、チームとして力が発揮できていない
- なんとなく職場の雰囲気が重く、新しいアイデアも出にくい
そんなチーム運営の難しさに直面し、「リーダーとしての自分の力不足なのかな…」と、自信をなくしたり、孤独を感じたりしていませんか?
でも、大丈夫です。 「最高のチーム」は、誰か一人のカリスマ的なリーダーシップだけで作られるものではありません。 それは、リーダーとメンバーが共に意識し、具体的な行動を積み重ねていくことで、少しずつ育まれていくものなのです。 そして、そのための重要な鍵となるのが**「チームビルディング」**という考え方と実践です。
この記事では、そんなチーム運営に悩むあなたのために、なぜチームビルディングがOTリーダーにとって不可欠なのか、そしてメンバー一人ひとりの力を最大限に引き出し、チーム全体の結束力を高めるための具体的なチームビルディング術について、分かりやすく解説していきます。
この記事を読み終えたとき、あなたは「こうすれば、もっと良いチームになれるんだ!」という具体的なヒントと、自信を持ってチームを導くための勇気と知恵を手にしているはずです。 さあ、一緒に「頼れるリーダー」への道を歩み始め、最高のチーム作りを目指しましょう!

「チームがまとまらない…」リーダーOTが直面するチーム運営の悩み
「リーダーになったはいいけど、チームをまとめるって本当に難しい…」多くのリーダーOTが、日々そんな壁にぶつかっています。まずは、チーム運営において、リーダーが抱えがちな具体的な悩みについて見ていきましょう。「うちのチームもそうだ…」と共感する点があるかもしれません。
指示待ちメンバー、低いモチベーション…どうすれば主体性を引き出せる?
「言われたことはやるけど、それ以上のことはしない…」 「なんだか、みんな仕事に対して受け身な気がする…」 チームメンバーの主体性やモチベーションの低さに、頭を悩ませていませんか? リーダーとして、もっとメンバーに積極的に関わってほしい、アイデアを出してほしいと思っても、なかなか思うように動いてくれない。 「どうすれば、みんなのやる気を引き出せるんだろう?」と、試行錯誤しているかもしれませんね。
意見が出ない、活気がない…沈黙の会議と風通しの悪い雰囲気
会議やカンファレンスを開いても、シーンと静まり返っていて、一部の人しか発言しない。 新しい提案や、建設的な意見がなかなか出てこない。 なんとなく、職場の雰囲気が重く、風通しが悪いように感じる…。 そんな状況では、チームとしての新しい発想も生まれにくく、問題解決も遅れてしまいますよね。 「もっと活気のある、何でも言い合えるチームにしたいのに…」と、もどかしさを感じているのではないでしょうか。
個々の能力は高いのに…なぜか噛み合わないチームの歯車
チームのメンバー一人ひとりは、それぞれ優れたスキルや知識を持っているはず。 なのに、いざチームとして動こうとすると、なぜかうまく連携が取れなかったり、お互いの力を十分に活かしきれなかったり…。 個々の能力の総和が、チームとしての力になっていない。まるで、歯車がうまく噛み合っていないような、そんなもどかしさを感じていませんか?
「私が全部やらなきゃ…」リーダーの孤独感とプレッシャー
チームがうまく機能しないと、「結局、私が全部やらなきゃいけないのか…」と、リーダーであるあなたにばかり負担が集中してしまうことがあります。 メンバーに仕事を任せても、期待通りにやってくれないのではないかという不安から、ついつい自分で抱え込んでしまう。 その結果、リーダー自身が疲弊し、「私だけが頑張っている…」という孤独感や、過度なプレッシャーに押しつぶされそうになってしまうことも少なくありません。
目指したいのは「最強チーム」!でも、具体的に何をすれば…?
「みんなが主体的に動き、お互いを尊重し合い、活気に満ち溢れ、そして最高の成果を出す!」 そんな**「最強のチーム」**を、あなたはきっと目指しているはずです。 でも、その理想と現実のギャップを前に、「具体的に、何から手をつければ良いんだろう…?」と、途方に暮れてしまうこともあるかもしれませんね。 その「何から」を、一緒に見つけていきましょう。
なぜ「チームビルディング」がOTリーダーにとって不可欠なのか?
「チームビルディングって、なんだか難しそうだし、本当に効果があるの?」そう思うかもしれませんね。しかし、チームの力を最大限に引き出し、質の高い作業療法を継続的に提供していくためには、リーダーによる意識的な「チームビルディング」の取り組みが、今や不可欠と言っても過言ではありません。その重要性を5つのポイントから解説します。
①個人の能力を超えた「相乗効果」を生み出す!1+1を3以上にする力
チームビルディングの最大の目的の一つは、個々のメンバーの能力を足し合わせた以上の力、つまり「相乗効果(シナジー)」を生み出すことです。 お互いの強みを活かし、弱みを補い合い、多様な視点やアイデアを組み合わせることで、一人では到底達成できないような、より質の高い成果を生み出すことができます。 1+1が2ではなく、3にも4にもなる。それが、うまく機能するチームの力なのです。
②メンバーの「成長」を促し、組織全体のレベルを底上げする
効果的なチームビルディングは、メンバー一人ひとりの成長を促すことにも繋がります。 お互いに教え合い、学び合い、フィードバックし合う文化が育てば、個々のスキルや知識は向上し、チーム全体の専門性も高まります。 また、安心して挑戦できる環境があれば、メンバーは新しい役割や困難な課題にも前向きに取り組むようになり、リーダーシップを発揮する人材も育っていきます。 メンバーの成長は、そのまま組織全体のレベルアップに直結するのです。
③「心理的安全性」を高め、誰もが安心して能力を発揮できる環境を作る
「心理的安全性」(このチームでは、自分の意見を言っても大丈夫、失敗しても受け入れてもらえる、という安心感)は、チームのパフォーマンスを左右する非常に重要な要素です。(詳しくは記事No.51参照) チームビルディングを通して、お互いの理解を深め、信頼関係を築き、オープンなコミュニケーションを促進することで、この心理的安全性が高まります。 その結果、メンバーは萎縮することなく、自分の能力を最大限に発揮し、積極的にチームに貢献できるようになるのです。
④困難な状況でも「乗り越える力」を持つ、しなやかで強いチームへ
医療・介護の現場では、予期せぬ困難や、大きな変化に直面することも少なくありません。 そんな時、チームの結束力が弱ければ、簡単に崩れてしまうかもしれません。 しかし、日頃からチームビルディングに取り組み、メンバー間の信頼関係や協力体制がしっかりと築かれていれば、困難な状況に直面しても、チーム一丸となって、しなやかに、そして力強く乗り越えていくことができます。 逆境を乗り越える経験は、チームをさらに強く成長させるでしょう。
⑤結果として、患者さん・利用者さんへの「ケアの質」が向上する
そして何よりも、チームワークの向上は、最終的に患者さんや利用者さんへの「ケアの質」の向上に繋がります。 情報共有がスムーズで、多職種連携が円滑で、スタッフがいきいきと働いているチームは、より個別性の高い、温かく、そして効果的なリハビリテーションを提供することができます。 最高のチームを作ることは、患者さんにとって最高のケアを提供することに、ダイレクトに結びついているのです。
このように、チームビルディングは、単なる「仲良しグループ作り」ではありません。それは、組織の成果を高め、メンバーを成長させ、そして患者さんへのケアの質を向上させるための、リーダーにとって不可欠な戦略なのです。
これが「頼れるリーダー」の条件!メンバーの力を引き出す5つの資質
「最高のチームを作りたい!」という想いを実現するためには、リーダーであるあなた自身が、メンバーの力を最大限に引き出すための資質を磨いていくことが大切です。ここでは、「頼れるリーダー」に共通して見られる5つの重要な資質をご紹介します。あなたも、これらの資質を意識して、日々の行動に取り入れてみませんか?

①明確なビジョンと方向性を示す「羅針盤」としての役割
チームがどこへ向かうのか、その**「目的地」と「進むべき道」を明確に示し、メンバーを導く**のが、リーダーの最も重要な役割の一つです。
- 求められること:
- チームとして達成したい**「ビジョン(理想像)」**を、メンバーに共感できる形で具体的に語る。
- ビジョン達成のための**具体的な目標と、その達成に向けた戦略(方向性)**を明確に示す。
- メンバーが迷った時に、常に立ち返ることができる「羅針盤」のような存在であること。
②メンバー一人ひとりの声に耳を傾ける「傾聴力」と「共感力」
メンバーが安心して意見を言えたり、悩みを相談できたりするためには、リーダーが**一人ひとりの声に真摯に耳を傾け、その気持ちに寄り添う「傾聴力」と「共感力」**が不可欠です。(記事No.22参照)
- 求められること:
- 忙しくても、メンバーの話を途中で遮らず、最後まで丁寧に聞く姿勢。
- 言葉だけでなく、表情や態度から相手の感情を読み取り、理解しようと努める。
- 「それは大変だったね」「頑張っているね」と、相手の気持ちを受け止め、共感の言葉を伝える。
③信頼して任せる「エンパワーメント」の技術
リーダーが全てを抱え込むのではなく、**メンバーを信頼し、適切な権限と責任を与え、主体的に行動できるように促す「エンパワーメント」**の技術も重要です。
- 求められること:
- メンバーの能力や意欲を見極め、適切な業務や役割を任せる。
- 細かく指示しすぎず、ある程度の裁量を与え、自分で考えて行動する機会を作る。
- 失敗を恐れずに挑戦できるよう、心理的なサポートをする。
- 成功体験を積み重ねさせ、自信を育む。
④適切なフィードバックで成長を促す「育成力」
メンバーの成長をサポートし、チーム全体の能力を高めていくためには、リーダーによる適切なフィードバックが欠かせません。(記事No.21参照)
- 求められること:
- 良かった点は具体的に褒め、さらなる成長を促す。
- 改善が必要な点は、人格否定ではなく、具体的な行動や結果に対して、建設的なアドバイスと共に伝える。
- 定期的な面談などを通して、メンバーのキャリアプランにも関心を持ち、長期的な視点で育成に関わる。

⑤自らも行動で示す「率先垂範」の姿勢
どんなに立派なことを言っても、リーダー自身が行動していなければ、メンバーはついてきません。自らが模範となり、チームの理念や目標に向かって率先して行動する「率先垂範」の姿勢が、メンバーの信頼と共感を得る上で非常に重要です。
- 求められること:
- 困難な課題にも、前向きに、そして主体的に取り組む。
- チームのルールや約束事を、誰よりも守る。
- 常に学び続ける姿勢を見せる。
- 誠実で、公平な態度でメンバーに接する。
これらの資質は、一朝一夕に身につくものではありません。しかし、日々意識し、努力し続けることで、あなたは必ず「頼れるリーダー」へと成長していけるはずです。
【実践編】今日からできる!OTチームの結束力を高めるチームビルディング術7選
「頼れるリーダーの資質は分かったけど、具体的にチームのために何をすればいいの?」そんなあなたのために、今日からすぐに実践できる、作業療法士チームの結束力を高め、チームワークを向上させるための具体的なチームビルディング術を7つ厳選してご紹介します。まずは、取り入れやすそうなものから試してみてください!
①チームの「目標」と「価値観」を共有するワークショップ開催
チームが同じ方向を向いて進むためには、「何を目指し、何を大切にするチームなのか」という共通認識を持つことが不可欠です。
- 実践方法:
- 定期的に(例えば半年に一度など)、チームメンバー全員で集まり、「私たちのチームの目標は何か?」「私たちが大切にしたい価値観(例: 患者さん中心、成長、協力、挑戦など)は何か?」について話し合うワークショップを開催する。
- 出てきた意見をまとめ、チームの「行動指針」や「スローガン」など、目に見える形にする。
- 効果: メンバーの当事者意識が高まり、日々の業務判断の拠り所ができます。チームとしての一体感が生まれます。
②お互いを知る機会を作る!自己紹介や「強み発見」セッション
チームメンバーが、お互いの人となりや、得意なこと、大切にしていることなどを理解し合うことは、信頼関係構築の第一歩です。
- 実践方法:
- 新しいメンバーが加わった時だけでなく、定期的に、少し時間を取って「自己紹介(最近ハマっていること、自分の強みなど)」をする機会を設ける。
- 「〇〇さんの強みは△△だよね」と、お互いの良いところや得意なことを見つけ出し、共有する「強み発見セッション」のような時間を作る。
- 効果: メンバー間の心理的な距離が縮まり、親近感が湧きます。お互いの強みを活かした協力体制も生まれやすくなります。
③定期的な「チームミーティング」で風通しを良くする(アジェンダ工夫)
情報共有や意思決定のためだけでなく、チーム内の風通しを良くし、コミュニケーションを活性化させるためのチームミーティングを、定期的に開催しましょう。
- アジェンダの工夫例:
- 業務報告だけでなく、「最近困っていること」「うまくいったことの共有」といった、少し雑談に近いテーマも取り入れる。
- 持ち回りでファシリテーターを担当し、全員が主体的に関われるようにする。
- 会議の最初に、アイスブレイク(簡単なゲームや自己紹介など)を取り入れる。
- 効果: メンバーが気軽に発言しやすい雰囲気が生まれ、情報共有がスムーズになります。チーム全体の課題発見や解決にも繋がります。

④小さな「成功体験」を積み重ね、チームの自信を育む
チームとして、「みんなで頑張って、何かを達成できた!」という小さな成功体験を積み重ねていくことが、チーム全体の自信と結束力を高めます。
- 実践方法:
- チームで取り組む短期的な目標(例: 今月は〇〇の業務改善に取り組む、△△の勉強会を企画・実行する)を設定し、達成を目指す。
- 目標を達成したら、必ずチーム全員でその成果を共有し、喜びを分かち合う。
- 効果: 「やればできる!」という自己効力感がチーム全体に広がり、より困難な目標にも挑戦していく意欲が湧いてきます。
⑤「感謝」と「称賛」を伝え合う文化を作る(サンクスカードなど)
日々の業務の中で、お互いの頑張りや貢献に対して、「ありがとう」「助かったよ」「すごいね!」といった感謝や称賛の言葉を、積極的に伝え合う文化を作りましょう。
- 実践方法:
- ミーティングの最後に、「今週、感謝したい人・こと」を発表する時間を設ける。
- 「サンクスカード」のようなツールを導入し、気軽に感謝の気持ちを伝えられるようにする。
- リーダー自身が、率先してメンバーの良いところを見つけて褒める。
- 効果: ポジティブな雰囲気が職場に広がり、メンバーのモチベーションが向上します。お互いを認め合う文化が、チームの絆を深めます。
⑥チームの「課題」をオープンに話し合い、一緒に解決策を考える
チームが抱える課題や問題点から目を背けず、全員でオープンに話し合い、一緒に解決策を考えていく姿勢が大切です。
- 実践方法:
- 「最近、〇〇の点で困っているんだけど、みんなはどう思う?」と、リーダーから課題を提示し、意見を求める。
- ブレインストーミングなどの手法を使って、自由にアイデアを出し合い、建設的な議論を行う。
- 解決策が決まったら、役割分担をして、チームで実行に移す。
- 効果: メンバーの当事者意識が高まり、「自分たちの手でチームを良くしていく」という主体性が育ちます。問題解決能力も向上します。
⑦(可能なら)仕事以外の「交流イベント」で親睦を深める
業務時間外での関わりには賛否両論ありますが、メンバーが楽しめるような、自由参加型の交流イベントを企画することも、親睦を深める上では有効な場合があります。
- イベント例: ランチ会、歓迎会、忘年会、スポーツ大会、趣味のサークル活動など。
- ポイント: あくまで参加は任意とし、強制的な雰囲気にならないように注意する。企画段階からメンバーの意見を取り入れ、みんなが楽しめる内容にする。
- 効果: 仕事中には見られないメンバーの一面を知ることができたり、リラックスした雰囲気で本音を話せたりすることで、人間関係がより深まることがあります。
これらのチームビルディング術を、あなたのチームの状況に合わせて、無理のない範囲で取り入れてみてください。焦らず、継続していくことが大切です。
リーダーの「関わり方」がチームを変える!最高のチームで、最高のOT実践を
「頼れるリーダー」とは、決して生まれ持った才能だけで決まるものではありません。 それは、メンバー一人ひとりの力を信じ、その可能性を最大限に引き出すための「関わり方」を学び、実践し続けることで、誰もが目指せる姿なのです。
明確なビジョンを示し、メンバーの声に耳を傾け、信頼して任せ、成長をサポートする。 そして、チームの目標と価値観を共有し、オープンなコミュニケーションと心理的安全性を育み、共に課題を乗り越えていく。
あなたのリーダーとしての小さな行動の変化が、チーム全体の雰囲気を変え、メンバーのモチベーションを高め、そして何よりも、患者さん・利用者さんへのケアの質を向上させる、大きな力となるはずです。
もし、あなたが**「リーダーとしてのスキルをもっと磨きたい」「チームビルディングについて、もっと専門的な知識を学びたい」と感じているなら、リーダーシップ研修やマネジメントセミナーに参加してみるのも良いでしょう。 また、「今の職場では、なかなかリーダーシップを発揮できる環境がない」「もっとチーム運営に主体的に関われる場所で働きたい」**と考えているなら、キャリアの専門家に相談し、あなたのリーダーシップを活かせる新しい職場を探してみるのも、キャリアを飛躍させるための一つの有効な手段です(無料相談が可能です)。
「最高のチーム」は、リーダーとメンバーが共に創り上げていくものです。 あなたの情熱と、この記事でご紹介したヒントを力に変えて、作業療法士として、そしてチームリーダーとして、さらに輝く未来を築いていってください。